今回は、離乳食のお話です。一般的な離乳食のお話を私がしても仕方ないので、今日はお子さんの呼吸、将来の健康のための離乳食のお話をしていきます。前提として、現代のお子さんの呼吸の問題について、知っていただいた方向けになりますので、そういったお話に触れていない方は、下記の記事をご参考いただいたり、当院にお問い合わせいただければと思います。
https://hf-dental.com/?p=807 https://hf-dental.com/?p=827
では、早速それぞれの月齢に合わせた離乳食についてお話していきます。
原則として、離乳食開始の目安は以下を満たす時です。この時期になったから、必ず始めなくてはならないというものでは、ありませんので、お子さんの成長に合わせて焦らず行ってあげてください。
①首がすわり、支え座りができるようになる。
②家族が食べているものを見て、よだれを垂らしたり興味を示す。
③触ったものや、自分の手を口に持っていくようになる。
以上を満たせば、離乳食を開始する事ができます。最初は、お子さんの様子を見ながら、1日1回1さじずつから始めてください。母乳やミルクは欲しがるだけあげるようにしてください。
1日2回食を目安とし、椅子に座らせ、大人が食べさせてあげてください。この時期の離乳に失敗すると、丸飲みやチュチュ食べの問題が起こりやすいです。とても大切な時期ですので、食事介助や食形態などは注意してください。
スプーン食事介助のポイントは
①右から介助するときには、右手。左から介助するときには左手で行うようにいてください。
②スプーンは上唇で食べられるよう、浅めのものを用意します。
③目線を合わせ、まっすぐ下唇にあて、上唇が閉じたらまっすぐ引き抜きます。舌の前後運動を邪魔しないよう、スプーンを口の奥に押し込まないようにしましょう。
上方向から、スプーンを持っていくと赤ちゃんの顔は自然と上を向きます。その状態は、誤嚥しやすい体勢で危険です。必ず、目線を合わせて、まっすぐスプーンを持っていくようにしましょう。引く時もまっすぐです。上に引くと、お顔が上に上がり危険です。また、食形態は豆腐くらいの柔らかさをイメージし、もぐもぐしているかを確認をしましょう。もぐもぐしない場合は、スプーンの位置が奥すぎないか、柔らかさは適切か確認してみてください。
1日3回食になります。手づかみ食べを徐々に始めて行ってください。手づかみで食べることによって、お子さんがひと口の量を覚えるようになります。汚れてしまって大変だと思いますが、お子さんの成長に大切なことなので、是非手づかみ食べをさせてあげてください。
手づかみ食べ、移行のポイントは
①上下の口唇をしっかり閉じて食べる事ができる。
②口角が横に引っ張られ、唇が薄くなるような動きがある。
③バナナを食べる事ができる。
手づかみ食べができるようになるには、口唇を閉じて歯茎でかみ、舌を前後左右上下に動かして、塊にしそれを喉に送り込む事ができなくていけません。上の①〜③のポイントを抑えられれば大丈夫ですので、この時期になったらお子さんの口の動きを注意深くみてあげてください。
スティック状にして煮た野菜や、おにぎり、おやきなど手づかみ食べを積極的にさせましょう。喉につまらせないよう、必ず大人がそばで見守りながら食べさせてください。手づかみ食べのポイントは
①前歯で噛めるよう、食材は大きく
②足を床か椅子の補助版につけ、踏ん張れるようにする
③途中で水分をあげない
この時期に覚えた一口量が一生続きます。前歯が生えてきたら、前歯でかぶりつける大きさで食材を提供してあげてください。この前歯でかぶりつく事が、お子さんの成長にはとても大切です。このとき、中途半端な大きさは口に放り込むので危険です。足を床などにつけて、踏ん張る事で、噛む力が増し、飲み込む力も強くなります。固形物と水分は飲み込むタイミングがズレます。そのため、固形物を水で流し込もうとすると誤嚥のリスクも高まります。食事中は水分を与えないようにし、欲しがる時はお口の中が空になっていることを確認してからあげましょう。
この頃にほとんどの食品が食べられるようになります。食事で栄養が摂取できるようになれば、卒乳も考えて良いですが、2歳くらいまでは、可能であれば母乳をあげられると、お子さんの成長には、なお良いです。
離乳食の硬さや、大きさは一般的に言われているもので差し支えないと思います。心配な方や、さらに勉強されたい方は、私が参考にした熊本県保育協議会の書籍「保育園の離乳食」が下のリンクから購入できますので、よろしければ取り寄せて見てください。(送料が約1300円かかります)https://k-hokyou.jp/store/
離乳食は作るのも大変ですし、なかなか食べてもらえない時もあって、とても大変ですよね。作るのも大変だから、ついつい適齢期を過ぎても、同じ食形態にしちゃったりなんてことも。ですが、そういった事が将来のお子さんの健康を脅かすことにもなりかねません。そういう時のためにも、母乳やミルクでの栄養補給という選択肢を残しておくと、少し休む事ができるかもしれませんね。
私も、二児の父親で離乳食を作って食べさせていた1人です。色々勉強して、思い返すと、失敗したなと思うことも多々ありますが、それ故に気がついた事も多いと思っています。育児の大変さも一応わかってはいるつもりですので、お困りごとや不安があれば、歯科に関わらずなんでもご相談ください。