あけましておめでとうございます。副院長の章浩です。皆様、お正月はいかがお過ごしだったでしょうか。本年も微力ではありますが、皆様の健康に少しでも役立つ情報をお届けできればと思っています。
さて、今回は将来の健康に影響を与えるお子さんのサインについてです。前回のおさらいですが、最近は歯並びの良くないお子さんが増えてきています。歯並びが良くないことで、しっかり噛むことができなかったり、磨きにくいため、虫歯になりやすくなったりします。また、歯並びが悪いことで特定の歯に負担がかかり、そういった歯が何十年と使ううちに抜けてしまい、食事に問題が出てきて全身の健康にも悪影響を及ぼしてきます。
このように、歯並びが悪いということは、歯だけの問題ではないのです。では、どういったことが原因で歯並びが悪くなっていくのでしょうか?歯並びやに影響を与える癖についてお伝えしていきます。
皆さんのお子さんは、テレビを見ている時や、おもちゃで遊んでいるような時にお口をポカンとあけていませんか?何気なく見ていると気が付きにくいかもしれませんが、しっかりそういった目でお子さんを見てあげてください。意外と多くのお子さんが何かに集中している時は、お口をあけています。
これは、お口で息をしている口呼吸という状態です。本来呼吸は鼻で行うものです。人間の体は口で呼吸をするようには本来できていないため、様々な問題が生じてきます。
あまり詳しく話すと難しくなってしまいますので、詳細は省きますが、口で呼吸をすることによって舌の位置が本来の場所よりも低くなってしまいます。本来舌の位置は上顎の前方にややくっつくくらいの位置どりなのですが、口呼吸の人はもっと低く、下の歯が並ぶあたりに舌があることが多いです。舌が本来の位置より低くなることによって、上顎の発達が阻害されてしまいます。上顎が成長しない、つまり大きくならないため、歯の生えるスペースを確保することができず、歯並びが悪くなってしまうのです。
本来呼吸は鼻で行うものです。鼻で呼吸した場合、吸った息は鼻腔や上顎洞という副鼻腔を通ります。これらの鼻腔には、簡単にいうと毛が生えており、この毛が吸った空気に含まれる細菌やウイルスといった異物を絡めとってくれるのです。これにより、風邪の原因となる異物が直接肺に流れ込むことを防いでいます。しかし、口呼吸の場合、鼻のような毛がないため、異物がダイレクトに肺に入ってしまいます。そのため、呼吸器系の病気になりやすいと言われています。
口の中に常に空気が流れ込んでいる状態ですので、鼻呼吸に比べてお口の中が乾燥しやすくなります。お口の乾燥は虫歯や歯周病の増加、口臭など多くの問題を引き起こします。
いかがでしたでしょうか?上の問題は、小さい頃に口呼吸の習慣ができてしまったら、一生涯そのままのことも多いです。歯並びの影響もさることながら、この口呼吸だけでもかなり将来へ不安が出てきてしまいます。次回は口呼吸の原因や、他の癖についてもお伝えしていきます。