諏訪の地で昭和33年に開院以来60余年、地域の皆様に貢献いたします。

虫歯だけではない。お子さんの将来の健康を守るために知っておくべきこと。

こんにちは。副院長の章浩です。

1ヶ月以上も更新が遅れてしまいました。できるだけ、定期的に更新を続けていきますね。

現代のお子さんに多く見られる問題

さて、前回まででお子さんの虫歯についての話は一区切りとなりました。確かに子供の時に虫歯にならないことも大切です。しかし、実はそれ以上に深刻で、そして現代の多くのお子さんが抱えている問題があります。

それは、顎の骨や筋肉の発育が未発達のお子さんが非常に増えているということです。すごく簡単に言ってしまえば、歯並びの悪いお子さんが増えてきているということです。私も、お子さんをよく診させていただきますが、歯並びが悪い、子供の歯が抜けたのに、大人の歯が生えてこない。そもそも子供の歯が抜けない。そう言った、悩みを多く聞きます。

歯並びが悪いと何が問題なのか?

歯並びが悪いというと、見た目の問題が真っ先に思い浮かぶかもしれません。確かに、それもそうなのですが、歯並びが悪いということは、歯が重なっており歯磨きが難しく、一般的に虫歯になりやすくなります。他にも、噛み合わせに参加する歯が少なくなり、特定の歯に負担がかかります。そう言った歯は、歯周病が進行しやすくなるため、抜けてしまうリスクも高まります。最近は、歯周病が糖尿病や認知症などを悪化させる要因になっていることがわかってきており、歯がなくなることが将来の健康に悪影響を与えることもあり得ます。

歯並びが悪いと、呼吸ができなくなる

そして、最も大きな問題が歯並びが悪い人は呼吸がうまくできなくなると言うことです。歯並びが悪いとは、歯が重なって生えていることがほとんどです。これは、お口が小さく歯が生えるスペースがないので起こる現象です。うまく生えることができなかった歯は、たいていの場合本来生える歯よりも内側に生えてきます。歯の内側、そこには舌があります。内側に生えた歯に邪魔されて、舌は本来の位置よりも低い位置に置かれてしまいます。そうすると、舌が気道を塞ぐようになってしまい、うまく呼吸ができなくなってしまいます。

呼吸ができない人は、将来の寿命が短くなる

この状態になると、子供でもいびきをかきます。普段無意識に息がしづらいので、気道を拡げるために、頭を少し前に出します。バランスを取るために、猫背になってきます。この状態のまま大人になると、腰痛や首痛、頭痛と言った症状に悩まされるようになります。そして、夜間のいびきは無呼吸へなっていき、そのままの場合、高血圧や糖尿病といった生活習慣病のリスクになっていきます。夜間の無呼吸が続く場合は、様々な病気の原因や悪化につながるため、寿命も短くなる傾向にあります。

歯並びが悪いということは、将来の健康や寿命にさえ影響を及ぼす可能性があるのです。

なぜ、現代の子供は歯並びが悪いのか?

では、なぜ歯並びが悪いお子さんが増えてきているのでしょうか?一番は食生活の変化と言われています。昔に比べて、硬いものを噛む機会が減っており、子供だけではないですが、一回の食事で噛む回数が圧倒的に減ってきてると言われています。

噛む回数が少なくなれば、噛む筋肉も衰え、顎の成長も止まってしまいます。顎の成長が止まることで、歯の生えるスペースが減ってしまい、歯並びが悪くなってしまうのです。

また、現代のお子さんが昔よりも脂質を多く摂るようになり、歯の大きさも大きくなっていることがわかっています。歯が大きくなれば、それだけより広いスペースが必要になるため、歯並びが悪くなる傾向にあります。

しかし、歯並びが悪くなる要因はそれだけではありません。お子さんの普段何気なく行っている行動が、実はその原因になっていることがあります。次回は歯並びに影響を与える癖についてお話ししていきます。少し、怖いお話もしましたが、ちゃんと続きで解決方法をお話しますので、安心してくださいね。