こんにちは。先日、臨床応用顕微鏡歯科学会の会長であられる秋山勝彦先生のインスティトュート、MATI カリエス・ G-SAFコースに参加してきました。このコースは、世界最先端のむし歯治療と、歯周病治療を学ぶコースで、全4日間の日程で行われます。今回は、前半の2日間で、主にむし歯治療について学ばせていただきました。
現在、通説となっているむし歯ができるメカニズムは、歯の表面がむし歯菌(厳密には違いますが)によって溶かされ、そこにむし歯菌が侵入し、むし歯が大きくなっていく、というものです。
しかし、秋山先生は、ブラキシズムによって生じた、歯の小さなひび(マイクロクラック)に汚れが停滞し続けると、そこからむし歯菌が歯の中に侵入し、むし歯になるという説を世界で初めて提唱された先生です。
今回、マイクロクラックによってむし歯ができている事実を、私たちが持参した抜去歯を実際に観察することで、その説の正しさを確信することができました。また、マイクロクラックによって、生じたむし歯の治療の仕方、できる限りマイクロクラックを新しく生じさせないための治療方法(マイクロクラックリペアラーテクニック)についても、ご解説、ご指導いただきました。
上の写真は、秋山先生が開発された、むし歯治療用のインスツルメントです。安全にむし歯を除去できる機能が備わっており、マイクロクラックによってできたむし歯を治すには、必須のアイテムです。
また、今回は11月17日に発売予定の、インレーという詰め物の治療をするためのバーを発売前にも関わらず、特別に購入し実際に使用して実習を行うことができました。こちらのバーも秋山先生がご考案されたもので、セラミックインレーを治療するために必要な機能が、凝縮された世界初のバーになります。使いこなすことができれば、非常に短時間で正確で質の高いセラミックインレーの治療を行うことができます。
セラミックにも色々な種類があるのですが、当院で扱っているセラミックはe-max(二ケイ酸リチウムガラスセラミック)と呼ばれるものを使用しています。このe-maxは、歯のエナメル質と硬さが同じなため、歯よりも柔らかいメタルや、レジンといった素材と比べ歯にマイクロクラックが入るリスクが少ないと言われています。そのため、理想的なむし歯治療は、マイクロクラックからのむし歯がないかを調べ、あればそれに対する治療(マイクロクラックリペアラーテクニック)を行い、最後にマイクロクラックが入りにくい、セラミックを詰めていくという流れになります。
もし、むし歯の再発リスクが低い治療をご希望の場合は、上記のような治療になります。より詳細をお知りになりたい方は、ご連絡ください。
リンクにて、実際のコースの動画をご覧いただけます。https://www.youtube.com/watch?v=zdgqRylAzTU
今回は主にむし歯治療についての研修会でした。次回は約半年後に、歯周病治療について学ばせていただきます。