こんにちは。副院長の章浩です。最近また風邪が流行ってきていますが、コロナも5類になり、以前の生活に戻りつつある事は嬉しい事ですね。昔みたいに、あまり怖がりすぎてもいけないですし、ウイルスや感染症について、正しい理解と対策をとりつつ、日々の生活を送りたいものです。
さて、本日から生涯現役シリーズと題して、何回かお話しをしていきたいと思います。私が諏訪に帰ってきて仕事をしたいなと思った根源的な部分でもあるので、気合を入れてお話ししていきますよ。
皆さんは、自分の死というものを考えたことがありますか?どんな風に死んでいきたいですか?普通はあまり考えた事はないでしょうが、病気で何年も苦しんだりするよりは、ピンピンコロリで逝けたらなー、あまり家族に迷惑はかけたくないなーという人も多いのではないでしょうか?では、現実はどうでしょうか?
上の図は、少し古いですが日本人の平均寿命と健康寿命を比較した図です。平均寿命がいわゆる寿命で、亡くなる平均の年齢。健康寿命が、要介護、要支援などがなく、誰の助けも借りずに全て自立した状態で、生活をすることが難しくなる平均の年齢です。この図によれば、男性で8年、女性で12年、平均して10年は何かしら、他の人の助けを借りないと生活することが難しい期間があるということです。こうなってくると、自分の自由にできることが減ってきますので、なかなか元気に過ごすということも難しくなりますし、施設に入るなり、ご家族に助けてもらうなりしないと、生活できなくなってきます。
では、なぜ介護が必要になってしまうのでしょうか?介護になってしまう原因を下図で見てみましょう。
男女によって、少しばらつきはありますが、不明を除くと、多いのが認知症、脳梗塞などの脳血管疾患、高齢による衰弱が多くを占めています。では、そういった病気はなぜ発生してきてしまうのでしょうか?
上の図はメタボリックドミノと言われるもので、いわゆるメタボの元になった考えです。ドミノの下方に、介護が必要になる原因で多かった、認知症や、脳血管疾患、などが位置し、その上流には糖尿病や高血圧など中年以降多くの方が抱える病気があり、さらにその上部一番のもとのところには、生活習慣があります。生活習慣が崩れることで、最終的には介護が必要な状態にまでなってしまうことを示唆している考えです。最近は生活習慣病と言われ、注目が集まっている分野ですね。
まとめると、現代の日本人は多くの方が、人生の終盤には介護が必要な状態となり、その原因はいわゆる生活習慣病と言われる病気である、ということをご理解いただければ嬉しいです。特段ここまでお話した事は、一見歯科とは関係なさそうです。しかし、お口の健康がこういった生活習慣病に大きく関わるということが言われてきています。次回は、その辺りのお話をしていければと思います。