こんにちは。副院長の章浩です。最近本当に寒くなってきましたね。久しぶりに諏訪の寒さを経験し、文字通りふるえております。
さて、前回までで、口呼吸をしているお子さんは将来歯並びが悪くなってしまって、虫歯や歯周病のリスクが上がったり、将来の健康に悪影響を与えるかもしれないというお話をしました。
今回は、お家で簡単にできる口呼吸対策です。もしお子さんがテレビを見ている時や寝ている時ににお口をポカンと開けているようであれば、是非試して見てください。
前回もお話しましたが、鼻炎やアレルギーがあったりすると、口呼吸になってしまいます。この場合、この後お話することを実践しても、原因が解消されていないので、効果はありません。もし鼻詰まりや、なんとなく息が苦しそうな感じがあれば、一度耳鼻科へ行ってみてください。
口呼吸は、鼻詰まりなどがなければ食べ物をあまり噛まずに食べることが原因であることが多いです。現代は柔らかい食事が多く、あまり噛まなくても食べられてしまいます。そうすると、噛む筋肉があまり発達しないので、そもそもあまり噛むことができず、硬いものを食べたがらないため、お家の方もなんとなく硬い食事を避けるようになる傾向もあります。食事を少し工夫することで、お子さんの噛む力を引き出してあげましょう。
ハンバーグでも、ソーセージでもちくわでもきゅうりでもパンでもなんでもそうですが、お子さんが食べやすいように一口大に切ってお皿にのせていませんか?噛むための最初の一歩は、まず前歯を使って噛みきることです。これをするためには、噛み切らなくてはいけない大きさで、ご飯を提供することが必要です。まずは、前歯で噛み切れるような献立を毎日少しでもいいので、取り入れて見てください。ちなみに、ちくわはおすすめです。ちくわは、けっこう噛まないと飲み込むことができないですし、そのまま一本あげれば、前歯で噛みきることが可能なので、良いトレーニングになります。
他に噛まないと食べられないもとしては、こんにゃく、油揚げ、ゴボウ、人参、椎茸、などがあります。
また、海苔もよく噛まなくては食べられないものの一つです。ご飯をちょっと海苔で巻いてみるなど、海苔を使った工夫も試してみてください。また、海苔でなくとも、ベーコン巻きやロールキャベツなども噛まないと食べられない料理なので、たまに作ってあげてください。ただ、これらはよく噛まずに無理に飲み込むと窒息する危険もありますので、しっかり歯が生えそろってからにしてください。また、生えそろっていたとしても、詰め込みすぎたり、喉のつまりがないかどうか食事中はお子さんから、目を離さずに注意できる時に行ってください。
食卓に飲み物があることで、よく噛まずに流し込んでしまうお子さんもいらっしゃいます。流し込むので、あまり唾液もでず、それでかえって食べ物が詰まりやすくなることもあります。慣れるまでは大変ですが、できるだけお食事の時は飲み物を置かないようにしましょう。
足をブラブラさせた状態での食事は、噛んだ刺激をうまく顎に伝えることができないため、顎の発育によくなく、口呼吸の原因になると言われています。また、飲み込む際の踏ん張りも聞かないため、飲み込む力も弱くなり、窒息やむせにつながります。必ず食事の時に座る椅子は、足を床や台につけられるような調整が可能なものにしてください。ちなみに正座はそういった問題は生じず問題はないと言われています。
いかがでしたでしょうか?すぐにできることも多いので、是非取り入れてみてください。しかし、既に口呼吸が疑われるお子さんは、これだけで改善するかというと難しいかもしれません。できれば一度歯医者さんに行って相談していただくことをお勧めいたします。次回は、歯医者さんで行うトレーニングについて少しお話できればと思います。